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約40年ぶりの見直し!“第3の賃上げ”として福利厚生の再設計を検討してみては?

【令和8年度税制改正】食事補助の非課税枠が月額7,500円に拡大

令和8年度税制改正により、会社が役員・従業員に支給する食事に係る非課税限度額は、月額3,500円から7,500円へ引き上げられました。

適用は令和8年4月1日以後に支給する食事からです。今回の見直しは、昭和59年以来の改正であり、実に約40年ぶりの引上げとなります。この改正は、単なる税制上の見直しにとどまりません。近年は、定期昇給やベースアップに加え、福利厚生の充実によって従業員の実質的な手取り感を高める取組みが、「第3の賃上げ」として注目されています。食事補助は、その代表的な施策の一つといえるでしょう。

約40年ぶりの見直しが意味するもの

食事支給の非課税限度額は、昭和50年に月2,500円で始まり、昭和59年に月3,500円へ引き上げられた後、長年見直しが行われていませんでした。物価上昇や食事提供コストの増加が続く中で、今回ようやく月額7,500円への引上げが行われたことになります。そのため今回の改正は、単に数字が変わったというだけではなく、企業が福利厚生を見直す好機として捉えることができます。特に、人件費全体の増加には慎重でありながらも、従業員への還元を強化したい法人にとっては、活用しやすい制度改正といえます。

食事補助が非課税となる要件

もっとも、会社が食事を支給すればすべて非課税になるわけではありません。

従来どおり、非課税として取り扱うためには、次の2つの要件を満たす必要があります。

  • 従業員が食事価額の50%以上を負担していること
  • 会社負担額が月額7,500円以下であること

また、この判定は消費税等を除いた金額により行います。
つまり、福利厚生として導入しやすくなった一方で、制度設計を誤ると給与課税の対象となる可能性がある点には注意が必要です。

具体例で見る設計イメージ

たとえば、1食750円の弁当を月20日利用するケースでは、月間の食事総額は次のとおりです。

1食750円 × 20日 = 月額15,000円

この場合、非課税要件に沿って設計すると、

  • 従業員負担:7,500円
  • 企業補助額:7,500円

となります。

食事総額15,000円に対し、従業員が50%にあたる7,500円を負担し、会社負担額も月額7,500円以内に収まっているため、企業補助額7,500円は全額非課税で取り扱える設計です。この設計であれば、従業員にとっては月7,500円、年間90,000円相当の実質的な手取り改善につながります。給与のベースアップとは異なる形で生活実感に直結しやすい支援ができるため、まさに“第3の賃上げ”としての効果が期待できます。

法人が検討するメリット

法人が食事補助制度を見直すメリットは、税務面だけではありません。
まず、従業員満足度の向上が期待できます。食費は家計への影響が大きく、支援の効果を実感してもらいやすい分野です。

次に、採用・定着面での訴求力向上も見込めます。求人の場面でも、福利厚生の充実は比較対象になりやすく、食事補助は比較的伝わりやすい制度です。

さらに、固定給引上げとは異なる柔軟な処遇改善策として活用しやすい点もあります。基本給の引上げに比べ、制度設計によって運用しやすいことは、中小企業にとって大きなメリットといえるでしょう。

導入前に確認しておきたい実務ポイント

実際に導入または見直しを進める際には、次のような点を確認しておくことが重要です。

  • 従業員負担額が食事価額の50%以上となる設計になっているか
  • 会社負担額が月額7,500円以下に収まっているか
  • 弁当補助、社員食堂、食券方式など、自社の運用方法が要件に適合しているか
  • 福利厚生規程や社内ルールの整備・見直しが必要か

まとめ

今回の改正は、約40年ぶりに食事支給の非課税限度額が見直されたという点で、企業実務に与える影響が小さくありません。

福利厚生の充実を通じて従業員の実質的な手取り改善を図れることから、“第3の賃上げ”として活用が期待される制度改正といえます。

福利厚生の見直しを検討している法人は、この機会に食事補助制度の導入や再設計を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

もっとも、非課税で活用するためには、負担割合や運用方法を適切に設計する必要があります。導入にあたっては、自社の運用実態に合わせて税務面の確認を行うことが重要です。