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経営に迷ったら基本に返ってSWOT分析

経営コンサル

SWOT分析とは

SWOT分析って聞いたことありますか?
初歩的なコンサルティング手法で各地の商工会議所さんや同友会さんなどが積極的に取り組んでいらっしゃるので、聞かれたことのある方も多いかもしれません。
SWOT分析を簡単に言うと「経営戦略のために自己分析してみましょう」ってことです。
実は私、このSWOT分析って前まで馬鹿にしてました。中小企業診断士の試験にも出てくるのですが、講師(大手コンサルティング会社出身)も「実務でSWOT分析なんてやったことがない」って言ってましたし、「自分のことなんだから自分が一番わかってるだろ⁈」って思ってました。
でも自分のことってわかっているようで実はぼんやりしていたり、自分の持ち味を経営に活かせてなかったり、自分の強みに気づいていなかったりってことが結構あるんですよね。
中小零細企業や個人事業主の方で特に創業間もない方や売上が伸び悩んでいる方は一度やってみられてはどうでしょうか?
新しい発見があると思いますよ?
手順はまず自社の強み(strength)・弱み(weakness)・機会(opportunity)・脅威(threat)の洗い出しからはじめます。各項目の頭文字をつなげてエスダブリューオーティー分析やスウォット分析と呼ばれます。

内部環境分析(S・W)

自社の強みと弱みを識別してみましょう。このとき自分は強みだと思っていても、競争相手が同じ強みを持っていたらそれは強みとは呼べません。競争相手を意識しながら考えましょう。商品や生産能力など目に見えるものだけではなく、ノウハウや伝統(ブランド力)など目に見えないものも分析しましょう。

外部環境分析(O・T)

自社の直面する外部環境について、機会(チャンス)となる要因と脅威となる要因とに識別しましょう。景気動向や商圏人口の増減などマクロ的な視点、顧客ニーズや競争相手の動向などミクロ的な両方から考えてみましょう。

クロスSWOT分析

SWOTの洗い出しが終わったら、次の表のS・W・O・Tの枠にそれぞれ書き込んでください。
次にSWとOTがクロスする4か所の枠に4パターンの施策を考え書き込んでください。
4つの施策の基本方針は以下の通りです。

 

S 強み

 

W 弱み

 

O 機会

 

強みを活かし機会をつかむ 機会を逸しないように弱みを克服する

T 脅威

 

脅威からの影響を最小限にとどめる 撤退し他に委ねる

実施例

では、実際に私がコンサルに入って実施したSWOT分析を紹介しますので参考にしてみてください。
本当は時間をかけてもっとたくさんのSWOTを洗い出したのですが、今回はわかりやすくダイジェスト版にしています。

対象企業:貸衣装業
事業内容:婚礼や卒業式の衣装のレンタル、写真の撮影・販売、販売員の派遣
コロナ禍でイベントが軒並み中止となり、非常に厳しい経営状態でした。

 

自社工場があるので商品回転率が高い
本社に本格的な写場を有している

資金繰りが非常に厳しい

大学や専門学校の女子学生が増加しており、卒業式後の謝恩会などが活発に行われている

卒業式は同時期に開催されるが、商品回転率が高いので
複数の学校から受注できる

→学校への営業を強化し
袴レンタルの売上拡大

資金繰りが厳しいため、最新のトレンドの衣装を
仕入れることが困難

→銀行に借入返済の一時停止を依頼。
浮いた資金で人気ブランドの衣装を仕入

コロナ禍による巣ごもり

自粛ムードで、結婚記念日に食事をするのが控えられている

→既存顧客向けに、結構記念日にウェディングドレスを
着用した記念撮影イベントを提案。その実績をホームページや
SNS等で宣伝し新規客獲得につなげる

 販売員の派遣事業については、派遣先もコロナ禍で
客数が減っており採算がとれない

→不採算事業から撤退し、事業をスリム化