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印紙税の基礎と注意点

税務

印紙税の基礎

今週は非常に身近な税金である印紙税の概要と注意点に触れたいと思います。

課税文書とは

印紙税は契約書や領収証など「課税文書」に印紙を貼ることによって納税する税金です。ただすべての文書が「課税文書」に該当するわけではなく、契約金額が低額な場合などは「非課税文書」に該当するので印紙を貼る必要はありません。
印紙税額一覧表

納税義務者(印紙を負担する人)は?

印紙税の納税義務者は原則的には文書の作成者となります。ただ契約書などは双方が原本を1通ずつ保管することがあると思います。この場合には連帯納税義務が生じるので双方が印紙を貼る必要があります。ただ一方が相手の分も印紙を負担した場合は相手の納税義務は消滅するので、契約書を2通作成した場合でも一方が印紙税を全額負担することは可能です。

割印

印紙税は印紙を貼るだけでは納付したことになりません。その印紙に割印(消印)を押すことによって納付したことになります。契約書等を作成したときに印紙を貼ったとしても割印していなければ”未納付”となりますので注意してください。

電子契約は印紙不要

課税文書は原則的に”紙の原本”をいいます。ですのでPDFファイルや写しをfaxなどで送ったものには印紙を貼る必要はありません。最近は河野大臣の「脱ハンコ宣言」などにより電子契約システムが注目されています。建設業や不動産業は契約金額が億単位になることも多いため、中小企業でも年間の印紙代が100万円以上かかってしまうこともよくあります。今後は節税のため電子契約がどんどん普及していくと思われます。

印紙税の注意点

過怠税

印紙を貼り忘れていたり割印をしていなかったりすると1~3倍の”過怠税”という罰金が課されます。

税務調査が長引く可能性

税務調査は基本的に法人税(所得税)・消費税・源泉所得税の3税目について調査されますが、調査の最中に印紙の貼られていない契約書などが見つかると印紙税の調査も追加されてしまいます。過怠税が課されるだけでなく税務調査が長引いてしまうので、税務調査が始まる前に必ず貼り忘れ等がないかチェックしてください。

後で貼ろうは危険

お客様の書類を見させていただいたとき、たまに印紙の貼り忘れを発見することがあります。その理由はだいたい「後で貼ろうと思ったまま忘れていました」というものです。うっかりミスで罰金をとられたらもったいないので、すぐに印紙の貼付・割印をするクセをつけてください。

再利用は絶対ダメ!!

印紙を貼った後に契約書等に間違いが見つかるなんてこともあると思います。こんなときに印紙をキレイにはがして再利用するのは絶対に止めてください。悪質な場合は本来納付すべき印紙税の3倍の過怠税が課される可能性があります。印紙を貼付度、契約書等の作り直しになったときや間違って多い金額を貼ってしまったときは「印紙税過誤納確認申請書」を原本と一緒に所轄税務署に提出すれば還付を受けることが出来ます。

割印する前に間違いが無いか再チェック!!

印紙税は還付が受けられると上に書きましたが、これはあくまで印紙に割印をする前の話です。割印をしてしまうと還付を受けることが出来ないので、割印を押す前に間違いが無いかもう一度しっかり確認しましょう。

消費税を記載しましょう

印紙税は契約金額などに比例して高くなりますが、この契約金額等は消費税抜きの金額で判断します。ただし消費税を明示せず税込金額しか契約書等に記載しなかったら税込金額で判断することになるので、契約書等には必ず消費税を記載するようにしましょう。

例 契約金額1万円の場合

① 契約金額1万円(うち消費税9,091円)と記載した場合 → 非課税
② 契約金額1万円(税込)と記載した場合 → 200円課税

迷ったら契約する前に税務署に相談を

上の印紙税額一覧表を見てもわかるように、課税文書の種類は1号文書から20号文書まであり、それに応じて印紙税額が異なるので判断に迷うことが多いです。もし継続的な取引が発生し契約書のひな形を作ることになった場合には、あらかじめ最寄りの税務署に相談し何号文書に該当するのか聞いた方が良いでしょう。間違った判断をしていたことが税務調査の段階で発覚し無駄な過怠税を払うのはもったいないですからね。特に継続的な取引の場合”ちりつも”でとんでもない金額の過怠税になってしまうかもしれません。